教育現場では、ひきつけ(けいれん)を起こす子どもに出会うことがあります。
けいれんは、100人に1人は起こすことがあるといわれるほどわりとポピュラーですが、突然意識を失うこともあるので、偏見をもたれやすい病気です。
子どもの方が大人より、10倍の確率で出現します。正しく対応すると命に関わることはないので、家庭で発作を起こしたときも落ち着いて対応しましょう。
熱性けいれんとはどんなもの?
インフルエンザのように高熱が急激に出たとき、体をガクガクと震えるようなひきつけを起こします。発熱時のけいれんなので、熱性けいれんと呼んでいます。
発症年齢は、小さい子どもほど出やすいですが、5分程度の短い時間で終わります。よく観察しすぐに病院の医師に診てもらいましょう。
一度のみの熱性けいれんは心配はいりません。問題なのは、2回も3回も繰り返すときです。熱が出るときのクセか、他に病気が隠れている場合もあるのです。
そのときは、発熱時に坐薬を入れるなどの予防することもあります。ただ、厳しいようですが、学校でのけいれん止めの投薬は医療行為となるので認められていません。
保管のみも、薬事法に関わってくるので難しい場合もあります。
熱性けいれんを起こしやすい子どもの場合、発熱時の対応など予防をどのようにしていくのか、学校や主治医ともよく話し合いう必要があります。
発熱した時点で学校から連絡をしていただき、保護者自身が保健室で投薬することが一番の方法かもしれませんね。
てんかんという病気は怖くない
発熱時にけいれんを起こす熱性けいれんとは異なり、様々な原因で発作をおこすのが「てんかん」です。大脳が興奮し、電気を異常に放電することで起こります。
音や、小刻みな光が誘発原因となることもあります。テレビのフラッシュを見ていて発作が起こったという子どもも少なくありません。
てんかんという診断がついたら、検診には必ず行くようにし、薬を欠かさず飲みましょう。3年発作がなければ薬も段々と減っていくようです。
治療には長い期間かかりますが、今では良い薬や治療法が出ています。脳の異常部分を切除する手術もあるそうです。
意識が突然なくなったり、無意味な行動を起こすことがあるので、いじめや偏見の原因となることもあります。保護者の皆様は周囲のお友達への対応も悩みの一つです。
病気や障害に対する優しい気持ちを育む教育も、学校や保護者に求められている役割ですね。
学校生活で注意する点とは?
もし、けいれんが起こってしまったら…。
初めて発作を見た方は驚かれると思いますが、慌てないようにどのような発作なのか、発熱の有無などをよく観察してほしいと思います。
10分以上の長いけいれんが続くようでしたら、早めにけいれんを止める処置をする必要があるので救急車を要請して下さい。
また、学校生活で心配なのは運動ですよね。プールは、発作が起こると命に関わることがあるので、主治医とよく相談しましょう。
最終発作から1年経過していたら許可されることもあるようです。ただ、体調が悪い・睡眠不足気味の時は控えるようにしたほうが良いかもしれませんね。
他の運動に関しては薬のコントロールが効いている場合、特に制限はないようです。
登下校は出来る限り一人にさせないようにし、頻繁に発作が起こる場合は、学校と相談の上、送迎の必要もあります。
いずれにしても、規則正しい生活で疲れをためさせないようにし、楽しい学校生活を送ることができるようになったらいいですね。