「先生!怪我したー。」、「頭痛いー。」と、保健室には、毎日たくさんの子どもたちが訪れます。

中には、「昨日包丁で切った…。」と家庭での怪我を報告に来てくれる子もいます。おうちの人のお手伝いしていたんだろうなあ、と微笑ましい気持ちのなることもあります。

保健室を病院のように考えている方もいらっしゃるかと思いますが、実は、学校で怪我をしたり病気になった時の、家庭や病院へ引き渡すまでの応急手当が限界です。

ですが、保健室での手当はご家庭でも参考になるかと思います。

外科編…切り傷のときは清潔を保ちましょう

すり傷や切り傷の手当の基本はなんといっても清潔!特に、外で転んだ場合などは、ほこりや砂まみれになることも…。

体には、外からのバイ菌の侵入を防ぐ機能を兼ね備えていますが、それだけでは不十分です。化膿から別の感染症を引き起こすこともあります。

子どもはひどく痛がると思いますが、ここは我慢!流水で、泥など目に見える汚れを綺麗に洗い流しましょう。

洗浄のみでも大丈夫なのですが、オキシドールなどで消毒してあげてもいいですね。水分をよくふき取り、清潔なガーゼや絆創膏で覆ってあげましょう。

捻挫や打撲には氷でひやしましょう

捻ったり、強く打ってしまったり、子どもの遊びには怪我が付きものです。慌てずに痛みの様子などをよく観察しましょう。

捻挫・突き指といった外傷には、それぞれの頭文字を取った「RICE処置」が有効です。

R… Rest  むやみに動かさず安静を保ちます。
I… Ice 腫れていたり、熱を持つことがあります。保冷剤や氷で十分に冷やしましょう。
C… Compression 包帯などで強めに圧迫・固定をします。
E… Elevation できるだけ高い位置まで挙げましょう。心臓に近い位置がもっとも良いようです。

骨折が疑われる場合もありますので、決して自己判断をしないよう、早めの病院受診をおすすめしています。医師に診てもらって何もなければ安心ですよね。

内科編…頭痛のときの応急手当は?

子どもの内科的訴えで一番多いのが頭痛です。ご家庭でも同じ対応を取られると思いますが、顔色をみながら体温測定を行います。

その際、できるだけ話を聴くのですが、睡眠不足からの頭痛も少なくないのが実感です。その時は休憩させたりもしますが、睡眠の大切さを伝えるようにしています。

発熱時は、平熱の個人差があるので、一概には言えませんが、大体の目安として37.5℃を超えた場合はご家庭へ連絡を入れるようにしています。

また、最近は、気圧の差などが原因になる子どもの偏頭痛や、心因性による頭痛も増えてきています。

あまりに頭痛を訴える場合は、専門家を受診してみて下さいね。

内科的な訴えで頭痛の次に多いのは腹痛

「お腹が痛い」との訴えで考えられる原因で一番多いのが便秘です。小学生でも1週間でていない…という子も少なくありません。苦しいはずです。

学校では緊張して出にくい環境があるので、授業中の静かな時間に保健室へ来ることが多いですね。体温測定や問診も必ず行います。

便秘の場合は、お腹のマッサージをします。左わき腹を下に押し出すようなイメージで少し強めにマッサージしてあげましょう。

ただ、頭痛と同じように腹痛にも他の病気も考えられますので、我慢せず早めに病院を受診しましょう。

実は、子どもの様子を一番わかっている保護者の方が、一番の名医だとも言われます。

子どもたちが痛みで苦しんでいる様子はツラいものがあります。早めの応急処置で痛みを軽減させてあげれたらいいですよね。