学校では、子どもの身体の発達・健康状態を把握するために、毎年4月〜6月までの間、健康診断を行うことが定められています。

その内容は視力や耳鼻疾患なども含めて大きく12項目に分かれています。保健室で検査をした記憶がある人も多いはず。

ここでは、そんな健康診断の中でも皆さんが特に気になる身長・体重について、結果の受け止め方など記述してみたいと思います。

身長は発達のバロメーター

健康診断の結果を見て、身長が伸びていると子どもは大喜びですよね。顔にも個性があるように、慎重にも伸びる時期など個人差があります。

身長測定で問題になってくるのが、その伸び方。発育発達曲線というグラフを参考に子どもたちの発育状態を見ます。

身長は、乳児期から幼児期がもっとも伸びます。せっかく買った洋服も半年で着られなくなる…という時期ですよね。

その後、緩やかな成長を見せ、思春期に急激な伸びを見ます。これを「発育促進期」といい、男女比でみると、思春期の伸び方は、女の子の方が2年ほど早く訪れます。

身長を測定するのは、この発育促進期が早く来ていないか、または、逆の事象(発育促進期が遅くないか)を確かめているのです。

身長が伸びるためには、「成長ホルモン」が大きく関わってきます。

発育曲線のグラフを見て、その線が横ばいをたどっていたら、成長ホルモンの分泌が正常でない場合もあります。

また、急激な伸びで発育促進期が早く訪れてしまった場合、その分、身長の伸びが早く止まってしまい、大人になったとき結果的に低身長となってしまうケースがあります。

いずれにしても、早期発見をすることが大切です。低身長を防ぐことができた子どもたちもたくさんいるので、成長の目安として管理していきましょう。

体重は適性を目指しましょう

体重測定では、身長と同様、発育曲線を用いて肥満ややせ型の発育状態を調べます。

体重とは、骨・筋肉・心臓といった内臓系と体脂肪の2種類を合わせた総重量を示します。

さらに体脂肪とは、人が生きていくためのエネルギーを貯蔵していますが、その重量が異常に増加すると肥満、減少をやせと言うのです。

肥満の健康被害はよく知られていますが、最近では、子どものやせも問題になっています。思春期やせ症(神経性食欲不振症)や児童虐待が背景にあることもあります。

体重は、ホルモンバランスや、精神状態の影響を受けやすく、心の問題を疑いやすい数値でもあるので、こまめに計測し、適正体重を保っているか評価することが大切です。

やせが美しいという社会の風潮に流されることなく、健康のためにはほどよい脂肪量も必要であることを認識してほしいと思います。

身長と体重はバランスが大事

発育曲線のグラフを使って、身長と体重が緩やかな上向きをたどっていたら、元気に成長している証拠。

「よく食べて、よく寝る」、成長期の子どもにとって一番の仕事だと思います。

健康診断の結果が届いたら、「うちの子どうかな~」と、ちょっと気にかけてみて下さいね。

ちなみに、身長と体重は、タケノコ式で交互に増加するそうです。だから、増えない時期があっても大丈夫。1年単位で成長を見守ってあげてほしいと思います。