先生の指示が通らない、椅子に長時間座っていられないなど、授業を進めることがままならないクラスがあります。

子どもたちが個々に活動をし、クラスとしてまとまりが欠けてしまった状態を「学級崩壊」と呼びます。

この学級崩壊は、子どもの心や学力に大きな影を落とすことが知られています。では、どのような理由で発生するのでしょうか。

まずは、教師側の指導力不足が考えられます。授業が分かりにくいなどもあるかとは思いますが、最も多いのは子どもに向き合うことを苦手とする場合です。

学校では日々程度の差こそあれ、様々なトラブルが発生します。子ども同士で解決できることもありますが、教師の介入を必要とする場合もあります。

子どもは、自分の気持ちを言葉として表現することが苦手です。大人が中立の立場でそれぞれの言い分をしっかりと受け止め、指導していくことが求められます。

そのとき、教師側の思い込み(この子は落ち着きがない、普段から不満げなど)で対応してしまうと、信じてもらえなかった悔しさが芽生えます。

誰だって、自分のことを理解してもらいたい…。なのに信じてもらえなかったとなると、先生のことを信用してもいいのか疑念が湧きます。

クラス経営は、教師と子どもの信頼関係があってからこそ順調にいくものです。先生の指示が通らなくなるのは、信用したくないという表現方法なのです。

ですが、教師の資質のみではどうにもできない問題が発生することもあります。

ご家庭で、クラスがなんとなくうまくいっていないと感じる事象がでてきたとき、どのように対処すべきでしょうか。

まずは、お子さんの味方でいてあげて下さい。何が起こっているのか、偏見を持たずに話を聞くことです。

その上で、難しいことではありますが、先生の悪口や批判は一切しないように気を付けましょう。

保護者の方の「言葉」は、子どもたちには絶対的なものがあります。保護者の方が先生の批判を始めると、ますます悪化することが考えられます。

子どもの気持ちを汲み取りながら、先生の発言の代弁者を目指しましょう。先生も人間です。人生経験が浅い場合もあります。

一人で何十人も相手にすることから全ての子どもたちの不満を解消することは不可能に近いのです。

クラス経営は、実は、保護者の皆様の力によって成り立っています。大人の目で、先生の言葉を汲んで子どもに伝えてあげましょう。

教師は、学級経営に関してそれぞれ目標を掲げています。それが分かるのは学級通信です。先生の想いや、お願いなどがたくさんつまっています。

学級で指揮を執るのは教師。ハーモニーを奏でるのは子どもたち。それをサポートするのは保護者。それぞれの役割分担があります。

先生との相性もありますが、第一に考えなければならないのは子どもたちのこと。

毎日が充実した生活を送れるよう、気持ちの誘導ができるのはなんといっても保護者の皆様です。

「先生の批判はしない!」そのケースにもよりますが、心得ておくだけでも、子どもの印象はずいぶんと変わってくるものです。

負の連鎖が発生しないように、見守っていきたいものですね。